もしも時間を戻せるボタンがあるとしたら、私は何度押しているんだろうか。
そのくらい後悔の毎日。
時間は戻らないと知っているのに、私は何度後悔するのかな。
最初からもっと上手く人と話せたらいいのに。
「芦名さん、今後悔してるでしょ?」
「.....え、なんで分かるの?」
心の中を見られたのかというくらい、ドンピシャで思っていることを当てられた。
「そういう顔してたから。言ったでしょ?芦名さんは分かりやすいって」
こちらを見ている朝日くんの顔は、夜の闇に紛れないくらいに輝いて見えた。
「後悔しない秘訣、教えてあげよっか?」
そして、月の雫が落ちるようにサラリと言葉をこぼした。



