これから頑張っていかないと、無事に本番が迎えられない。
最後の文化祭、いい形で終わらせたい。
いつか思い返した時に、高校3年生の文化祭、よかったなって思い出してもらえるように。
と自分なりに心の中で気合を入れる。
受験も控えているし、どちらもしっかりと頑張らないと。
「よし、芦名さん一緒に帰ろうか?」
「...えっ?」
渡された資料をまとめて、帰る準備が整ったところで声をかけられた。
「そんな意外そうな顔をしなくても。もう暗いし、送るよ」
「え、そんな悪いよ...!」
朝日くんに送ってもらうとなったら、全校生徒を敵に回すようなものだと思う。
むしろ朝日くんとこうやって話せるだけで、奇跡に近いのに。