「史奈はもう受験終わったんだよね?」
「えぇ。夏休みのうちに受けてきたわ。ちゃんと合格したわよ」
「直接言ってなかったから。おめでとう、史奈」
「ありがとう」
史奈は専門学校に合格したと電話で聞いた。
おしゃれな史奈はデザイナーになることが夢で、服飾系の専門学校へ行く。
私は明確な夢がまだ見つかっていない。
だから専門学校じゃなく、大学へ行くと決めた。
夢のために頑張る人は輝いていて、その輝きは眩しかった。
私にはないその輝きが羨ましかった。
いつだって何かに向かって一生懸命頑張る人の姿は胸をうつ。
「美紅の受験ももうすぐでしょ?頑張りなさいよ」
「うん。ありがとう」



