ゆるふわな黒色メガネくんは魔法使い




うちの両親は共働きだから、お弁当はいつも私が作ってる。



私のために頑張って働いてくれている両親に、仕事を増やしたくないから。



それでもお母さんはいつも私より早く起きてて、今日みたいに寝坊した日は作ってくれてる。



「やっぱりね。でも、美紅が寝坊なんて珍しいじゃない?」



「まだ夏休み気分が抜けきってないんだと思う。二度寝したら家を出るギリギリの時間だったんだよね....」



だから今日はめちゃくちゃ急いで準備した。



「まぁまだ始まって3日だもんね。でも、早く慣れるしかないわね」



「うん....」



せっかくの夏休みなんだから、バイトとかすればよかったかな。



私は部活に入ってないから、最後の夏として熱いものがあったわけでもなかったし。