貴方になりたい

「じゃあ、もう俺に二度と関わらないで。
あと、嫁に俺達の関係をばらしたら酷い事になるよ?」


やっぱり、私は遊びだったのだ。


でも、それよりショックなのは聖光が奥さんの事を愛していた事。

奥さんには、私の事をバレたくないんだ。


「わ、分かった……」
「おい、悟。辞めろよ」


私の上に乗っかっていた男は渋々その場から離れた。


「じゃあ、約束な」
「うん。もう帰る」


今にも涙が溢れそうだったが、目頭に力を入れマンションを後にした。


蓋を開けたら聖光は酷い男だった。
なのに、聖光の事を嫌いになれない私が居る。


部屋のベッドに寝そべりながら思い出すのは、聖光と過ごした幸せの時間。


私は聖光の全てが欲しかった__

聖光には、私だけの恋人で居て欲しかった__


それが本音だけど、私を一番に考えてくれるならそれだけで良かった。


でも、ただの遊びの女。


こんな酷い事をされたのに、まだ聖光が好きでたまらない。


だから、浮気はされていても愛されている奥さんが羨ましかった。


今から、聖光と子供を一緒に育てていける奥さんが羨ましくてどうしようもない。


貴方(奥さん)になりたい。