待ちに待った土曜日。

結局、莉緒ちゃんは『応援、私も行くわ』と言ってくれたので、一緒に行くことになった。

体育館にはすでに、同じ制服を着ている女の子たちでいっぱいだった。

あの子たちも応援に来たんだなぁ……、なんて、人の多さに少し驚く。

私と莉緒ちゃんは2階のギャラリーに上り、場所を確保する。


うちの学校のバスケ部が勝てますように……。

そう心の中で祈っていると、隣にいた女の子たちの会話が聞こえた。



「休みの日でも、春佳くんと眞尋くんを見れるから幸せだよねーっ」

「分かるっ。でも、今日の相手チーム、強いんでしょ？　負けるとこ見たくないよねー」

「まあ、勝ち負けはどっちでもいいでしょ。私たちは春佳くんたちを拝めればそれでいいし！」



隣の会話にイラっとする私。

あなたたちは、一体なにをしに来たの。

バスケ部を応援しに来たんじゃないの？

勝ってほしいから応援に来たんじゃないの？


と、言いたいところだけど、私も春佳くんを応援したいという、個人的な思いもあったからなにも言うことはできなかった。