そして、迎えた月曜日。

現在進行形で全校集会が行われている。

私は新しく書き直した作文を左手に、体育館のステージの横に立っている。


ステージの真ん中にはマイクを持つ校長先生。

ステージの下には全校生徒が静かに座って、校長先生の話を聞いている。


私の心は落ち着いていた。

今までの私だったら、緊張して逃げ出したくなっていたと思う。

手も足も震えて、ステージに立つことを恐れていたと思う。

それ以前に、ステージに立つなんて決断をしなかった。

そんな弱虫な私を変えてくれたのは、大切な人の存在。



「えー、では。今回、作文コンクールで最優秀賞を頂いた、伊織 乃亜さんにステージに上ってもらいます」



校長先生の言葉がマイクを通して、体育館に響く。

ざわつく生徒たち。

ステージの横に立っていた私に視線が注がれる。

私は前を真っすぐ向いて、ステージへ続く小さな階段を上った。


少しだけ、心臓がドキドキしている。

だけど、これは緊張とか不安とかじゃなくて。


……ワクワクしているんだ。


3段しかない階段を上り、私は校長先生の横に立つ。