——いったい、どこにいるんだろう。


そう考えながらも、わたしの頭には、真っ先にひとつの場所が浮かんでいた。


階段にたどり着き、一気に駆け上がる。

休むことなく4階まで上がりきったところで、酸素を求めて、立ち止まった。


膝に手を当て、ひと呼吸を置いてから。

急くような気持ちに背中を押されるように、さらに上へと、再び足を動かした。


やっとの思いで、屋上へと繋がる重たい扉に、手をついて。

体重を預けるように押し開けた。



ぶわり、と。

いつかと同じように、風が弄ぶように髪やスカートを持ち上げ、わたしを出迎える。

空はもう、薄暗いはずなのに。

細めた視界に、——胸に抱いたキャンバスとよく似た青色が、映った気がした。