捕まえたの、俺だから。




「直くん」

「なぁに?」

「私も直くんのことが好きだってこと、覚えておいてね」

「……うっ」

「えっ、急にどうしたの!?」


突然、直くんは胸を押さえて苦しみ出した。


身体を折りたたんでいるせいで表情までは見えないけれど、深刻そうな感じがして私の心臓に悪い。


「まどか先輩が可愛すぎてしんどい……」

「……そう」


付き合って早々、バカップルみたい。


甘々な空気に憧れてはいたけれど、こんなのが続いてたら私だって心臓が持たないよ。


こういうのはぶち壊すに限るんだって、始めに気づけてよかった……。


「ほら、そろそろ本当に戻らないと先生に怒られちゃうかも。行くよー――」


絡められていた手を解き、建物の陰から出ていこうとした私はあっさりと直くんに引き止められる。


そして、



「捕まえたの、俺だから」



やけに真剣な声が、私の鼓膜を震わせて。


「誰にも渡さないし、行かせない」


独占欲が、私を甘く縛り付ける。


「先輩こそ覚えといてよね」


直くんから離れられない。


そんなのとっくの前からなのにね。


だけど、今は教えてあげない。


もしも気が向いたら教えてあげる。



これからも一緒だから、いつか。