貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 婚約者を泣く泣く差し出したと言うが、むしろ今日までのジャンは嬉々としてナディアをエスタレイクに送り込もうとしていた。それはナディアだけでなく、多くの人間が目撃している。

 コリンヌもコリンヌである。勉強が苦手だからという理由で王妃としての教育を拒むとは言語道断だ。

 まず、二人そろってまだ現国王が存命である状態で自分たちが国王夫妻になるのだと公言しているのが信じられない。いずれそうなると誰もがわかっていても、口にしないのが常識というものではないのか。