貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「フアールのために婚約者を泣く泣く差し出した俺を、献身的に支えてくれたのがコリンヌだからな。近いうちに王妃となるための教育係を招こう。君のためならどんな優秀な教師も呼んであげられるよ」

「まあ! でも私、お勉強は苦手なんです。身の回りが落ち着くまで待っていただくことはできませんか?」

「ああ、すまなかった。だったら君は勉強なんかしなくたっていい。どうせ議会の人間が決めてくれるんだ。王妃として、俺の隣で幸せになってくれればそれでいいよ」

 ナディアは目の前の茶番を冷めた目で見ていた。

 これに反応しろといわれても、『頭がおかしいんじゃないの』以外に言えない気がしてならない。