貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 城から送られた騎士たちはナディアに危害が及ばないよう保護するのだと言っていたが、貢ぎ物に逃げられないための監視が主な理由だと誰もがわかっていた。

「ナディア、君の尊い犠牲は忘れないよ。まあ表向きの名目は両国の交流を深めるための留学だ。せいぜい、向こうで蛮族の文化を学んできてくれ」

 客室に案内されたナディアを出迎えたジャンの隣にはコリンヌがいる。

「もう決まったことですから構いませんけど。お隣の女性がどなたかはご紹介いただけないのかしら?」

 毅然とした態度で立ち向かい、ナディアはコリンヌに目を向ける。

「たしか、以前にもお会いしたと思うわ」