貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 娘を安心させるように微笑むと、リシャール子爵は外へと出て行った。

 ナディアはその背を見送り、今の話を振り返る。

(前の人生で輸入品の価格が変わる話なんてなかったわ。やっぱり私の知る未来と変わってきているのね)

 本来ならば流行りのドレスや化粧といったものに興味を示すのが貴族令嬢というものだ。

 しかしナディアはこれでも元王妃である。

 ジャンが国政をおろそかにしてコリンヌと楽しんでいる間、代理で仕事をしながら頭に叩き込んだ。