貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「おそらくの話だが、これまで不当な搾取だったことに気づいた者がいたのではないかな。とはいえ、議会は大騒ぎだ。この辺りでもう少し考えを改めてくれればいいんだが、『所詮は獣なのだから適当に機嫌を取ってやれ』などという話が出ているようでね……」

 ナディアの父は、人間には珍しく獣人に対して偏見がない。

 そういった種族もいるのだという柔軟な考え方を持っており、そういった考え方も古くからの貴族たちにはよく見られていなかった。

「すまない、ナディアには少し難しかったな。今の話は忘れてくれ」

「いいえ、聞けてよかったわ。お父様もあまり無理をしないでね」

「ああ。そうするよ」