貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます！～二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?～

　結婚式を終え、披露宴に向けて婚礼衣装を着替えようという時に飛び込んだコリンヌの腹はとくに膨れていなかった。

　ナディアは父の教えも忘れて人前で白目を剥きそうになるし、ジャンは『やっぱりあの時の』などと口走るし、聞いていた使用人たちから一斉に話が広まるし、というまさに地獄のような時間だった。

　結局、ナディアとジャンの結婚を披露する場でコリンヌが側室として紹介された。

　その数か月後に、嫉妬した王妃による嫌がらせが原因でお腹の子が亡くなったという噂が流れたのを思い出し、ナディアは似合い顔をする。