貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~


 エセルがやれやれと苦笑いしながら息を吐いた。

「静かになさい。わかりましたから」

 ほっとした五人がおとなしくなる。

「ですが、次はありませんよ。いいですね?」

「はいっ」

メイドたちは真剣な表情で元気よく声を重ねた。

エセルは他人の恋愛話を大好物としている。彼の楽しみのためにも、国王夫妻を邪魔しないほうがいいだろう。

 五人は知らない。エセルが牢獄に囚われたとある夫婦に向けて、鬱憤を晴らすことを。

 彼にも見守りたい恋愛と、そうでない恋愛があるのだった。