貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ここで出会ったのがゲルハルトでよかったと、ナディアはこっそり胸をなで下ろした。

「ゲルハルト様に拝謁できて光栄です。このような形でのごあいさつとなり大変申し訳ございません」

「人間は口が上手いな」

 明らかに嘲りを含んだ言い方だった。

 ぎょっとしたナディアは下げていた頭を上げる。

「光栄などと、よく口から出るものだ」

「……なにかお気に障ったでしょうか」

 ナディアにはそれしか言えない。

 相手が一国の王である以上、失礼な男だと激怒して暴れるわけにはいかないのだ。

「不快感ならこの国に来た時から感じている」