空気の読める五人のメイドたちは、主人の邪魔を絶対にしない。

 それは仕事に限った話ではなく、甘い時間も含まれた。

 むしろ彼女たちは積極的にそういう時間を過ごせるよう、最近は昼間の休憩時間もナディアの部屋に留まらない。

 お喋りの機会は減ったが、代わりにゲルハルトとのひと時はぐっと増えた。

「で、もういいのか?」

「うん。明日手紙を出してもらうわ。なにか一緒に送れたらと思うのだけど、いいものはあるかしら?」

「ケタが例年より獲れたらしい。フアールではなかなか食えないだろう。それを送るのはどうだ?」