貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「匂いなど、なんとでも言える! そうやって貶めようとしても無駄だ」

 たしかに獣人でなければ証拠として扱うのは難しい。

 そこを突いたが、ゲルハルトはさらに続ける。

「今もおまえの妻からナディアの匂いがする」

「……は?」

 ぽかんとしたジャンのもとへ、狼の騎士たちが近づく。

 正確にはそのそばにいるコリンヌの前へ。

「持ち物を改めさせていただきます」

「やめて!」

 コリンヌはその場から逃げようとしたが、獣人の身体能力にかなうはずがなかった。

 捕らえられた彼女が暴れると、そのはずみにからんと音を立ててなにかが床に転がる。