貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 主にこれらの品を隠したのはコリンヌだが、ジャンもいくつか手伝っていた。

 ぼや騒ぎに気を取られていた彼らは盗難に気づくまで時間があっただろう。これだけの量を翌朝にすべて探し出すだけの余裕などないはずだ。

「さ、騒ぎになってから慌てて盗んだものを出したんじゃないのか?」

 無事に私物を取り戻した者たちは、ジャンの言葉に耳を傾けた。

 しかしゲルハルトはそんなジャンに哀れみの目を向け、軽く鼻で笑う。

「エスタレイクは諸君の知る通り、獣人の国だ。私も含め、人間とは違う感覚器官を持つ者が多くいる。城の中に覚えのない匂いがあれば気づくのは当然だろう」