そして手のひらに広がった感触にぎくりとする。
服越しでもわかるほどの筋肉質な肉体だった。体格がいいわけではないのに、驚くほど鍛えられているのがわかる。
ナディアが幼い頃に遊び半分で触れた筋肉自慢の使用人とはあまりにも違っていた。
研ぎ澄まされた刃にも似た男の身体に衝撃を受け、肩に触れたまま硬直する。
その視界の隅に、彼の背後でゆらりと動く黒い毛並みの狼の尾が映った。
「……なにをしているんだ」
ささやくように尋ねられ、再びナディアは自分を取り戻した。
「その、離れていただいてもよろしいかしら?」
服越しでもわかるほどの筋肉質な肉体だった。体格がいいわけではないのに、驚くほど鍛えられているのがわかる。
ナディアが幼い頃に遊び半分で触れた筋肉自慢の使用人とはあまりにも違っていた。
研ぎ澄まされた刃にも似た男の身体に衝撃を受け、肩に触れたまま硬直する。
その視界の隅に、彼の背後でゆらりと動く黒い毛並みの狼の尾が映った。
「……なにをしているんだ」
ささやくように尋ねられ、再びナディアは自分を取り戻した。
「その、離れていただいてもよろしいかしら?」

