貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 そうしてエセルが立ち去ると、ゲルハルトはナディアを連れて寝室のベッドへ戻った。

 彼女を寝かせ、毛布でくるみこんで頭をなでる。

「俺がいるのにどうして怖がる必要がある? おまえはもう、ひとりじゃない」

「……手を握ってくれる?」

「ああ」

 すん、とナディアが鼻を鳴らした。

 ゲルハルトは涙をこぼしたナディアの手をしっかりと握り、彼女が眠るまでつき添った。



 騒ぎは翌朝になってからさらに大きくなった。

 大広間に集まった賓客たちが慌ただしく情報交換しながら、不信感をあらわにする。

「なんと、そちらもですか」

 彼らの持ち物の一部が見当たらないのだ。