貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「違うと思いたいわ。そこまでするような人じゃないって。だけどあの人たちの様子はずっとおかしかったでしょう? だから……」

「眠ったほうがいいな」

 ゲルハルトはナディアを抱き寄せてそっと頭をなでた。

 ナディアはすっかり忘れていたのだ。

 これが二度目の人生で、一度目の人生は命を奪われて終えたということを。

(もう安全だなんて、どうして油断していられたの)

 前世でナディアを惨たらしく殺したふたりは、この世界でまだ健在である。

 そのそばを離れ、縁を切ったつもりであっても歴史は繰り返してしまうということだろうか。

「ナディア」