貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 今日を迎える原因となったふたりを示して言うも、肝心の本人たちは見当たらない。

 交流が始まった最初の頃は、諸国にもてはやされるゲルハルトを見て憎々しげに睨んでいたから、途中で退席したか単純に見落としたかどちらかだ。

「ならば余計見せつけてやるだけだ。俺が誰を一番大切に思っているか、あの男にはわからせてやる必要がある」

「……意外とおとなげないわよね」

 ナディアも背伸びをしてゲルハルトの頬にキスをした。

 軽んじている相手がどんなに幸せで恵まれているかを知らしめるため、ゲルハルトはジャンの提案を受けて人間をエスタレイクに招いた。