貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「いやいや、我が国との貿易を検討していただくのが先ですぞ。エスタレイクでは採れにくい穀物がありましてな。今日も招待いただいた礼の品として持ってきております」

「以前から貴国の毛織物には関心がありました。いかがでしょう、私の国では染物の技術と合わせて新しい産業を生み出すというのは」

 こういった交渉はゲルハルトの得意とするものではなく、早々にエセルが役を引き継いだ。

 望んでいた人間たちの交流を果たし、エセルは嬉々として会話にあたった。

 人々の輪を抜け出したナディアとゲルハルトは、寄り添ったまま笑みを交わし合う。