貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 娘の未来に対する不安が解消された子爵は、晴れやかに笑う。

「お父様となにを話しているの?」

 ナディアが母とともにふたりのもとへやってくる。

「おまえを幸せにすると伝えたところだ」

「もう幸せなのにね」

 寄り添うふたりを見た子爵夫人がそっと涙を拭う。

 彼らも救われた瞬間だった。



 〝宝石宮〟とのちに呼ばれる別邸でのパーティーはつつがなく進んでいた。

「今日よりナディア・ジエ・リシャールは正式に私の家族となる。改めて諸王には私のほうから報告させてもらうが、まずはこの場で伝えたかった」

 集まった人間たちの数は五十を超えているが、広間には充分すぎる余裕がある。