貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 客人に部屋をあてがった後、ホールへ彼らを集めたエセルが言う。

「不足があれば専属の使用人たちにお申しつけください」

 人間たちをもてなすため、今日までに訓練された選りすぐりの使用人が並ぶ。

 その中にはナディアに獣人の礼儀作法を教えた豹獣人の姿もあった。

「また、本日はフアールの皆さまだけでなく近隣諸国の方々も夜のパーティーに参加いたします。このエスタレイクの地にて親交を深められましたら幸いでございます」

 フアール以外の人間もついでに招いてしまえと提案したのはエセルだった。

「どうせ人間を招待するのなら、一度にすませてしまいましょう。陛下の婚約を報告する手間も減りますしね」