貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 天井から差し込むレスティライトの光に照らし出され、紅玉や青玉の内側に星が浮かぶ。最高級品でなければそのように星が浮かぶことはない。

 この別邸の柱一本で果たしてどれほどの価値があるのか、頭の中で金勘定を始めた者は蒼白になっていた。

 獣人を蛮族と呼び馬鹿にしようと目論んでいたジャンとコリンヌも同じである。

 これだけの贅を尽くした建築物はフアールにないし、今後も造られない。

 この別邸はゲルハルトがナディアに見せたがっていたものだ。

 建築を依頼した当時はまだ、彼女に対しての礼の気持ちが強かった。