うっすらと青く変化した光は淡く、きらびやかな宮に神秘的な美しさを与えている。呼吸すらためらわれるような空間を演出しているのは天井だけではない。
人々は壁や柱に埋め込まれた数多の金銀と宝石を見て絶句した。
一見すれば品のない成金の所業だと思われるのに、まったくそう見えない。本来、宝石とはそれひとつで存在感を主張するものだが、そもそも目立たないよう絶妙な位置に配置されているのである。
だからといって一級の宝石には劣る屑石を使用しているわけではなかった。
どれも王族の持ち物にふさわしいほど大きく、美しくきらめくものばかりだ。

