貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 フアールで見せた堂々とした姿もゲルハルトを惹きつけた。

 かわいらしい人だと思っていたのに、美しい人でもあるのだと頭を殴られたような衝撃を受け、だからこそ余計にナディアを軽んじたジャンを許せなくなったのだ。

 甘いベリーを思わせる瞳も好きで、自分だけを見つめてほしいと常に思っている。

 やはりこのすべてを伝える時間がもったいない。

 再びゲルハルトはナディアに口づけようと顔を寄せたが、その瞬間勢いよくドアを叩く音がした。

「ナディア様! 物音がしましたけど! 大丈夫ですか!」

 彼女の忠実なメイドたちである。