貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 彼らは毛皮のない人間の姿をしていても寒さに強く、キルシュフェラーの吹雪をものともしない。獣人たちが王を抱くエスタレイク国が大山脈のふもとに存在しているのがその証拠である。

 フアールの北西を流れる川にときおりレスティライトの欠片が流れつくことはあるが、傷のない大きなものを得るためには獣人の力が必要不可欠だ。

 ほかにも獣人の地でしか採取できない植物や生き物が多いため、人は疎みながらも貿易を行う必要があった。

 そういった理由から、彼も形ばかりの友好を示すためにこの場へ招待されたのだろう。