貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ナディアには悪いが、ゲルハルトは赤く染まった耳に噛みつきたい衝動に駆られた。

 耳だけでは足りそうにない。彼女のありとあらゆる場所に噛みついて、痕を残したくなる。

 堪えられたのはナディアのひと言が欲しかったからだ。

「……好きよ」

 ナディアはゲルハルトを見ずに言う。

「いつそうなったか自分でもわからないけど、気がついたら好きだったの。優しいし、大切にしてくれるし。あと、かっこいいと思ってる」

「俺も言ったほうがいいのか?」

「恥ずかしいから言わないで」

 ゲルハルトは拒まれてよかったと思った。