貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 思わずナディアはゲルハルトの話を遮っていた。

「誰のものって、なに? 意味をわかって言ってる?」

「当たり前だ」

 ゲルハルトが立ち上がってナディアに歩み寄る。

 一瞬で距離を詰められたナディアは、自分より遥かに背の高いゲルハルトを見上げて息を呑んだ。

「あの人間のせいで答えを聞きそびれていたな。――俺のつがいに見られるのは嫌か?」

「えっ、あっ」

 うまく言葉にできず情けない声があがる。

 あの時にジャンが来なくてもきっとうまく答えられなかった。

 嫌だから答えられないのではなく、嫌ではないから答えられない。

 それを口にするのは恥ずかしすぎた。