貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「まだおまえの家族に会っていないだろう。今回は時間がなかったしな」

「……そのために余計なものを呼んじゃだめよ」

 予想外の理由に虚を突かれ、それだけ言うのが精いっぱいだった。

「私の両親ならほかの時でもいいじゃない。ジャンなんて呼んだら間違いなく困ったことになるわ」

「俺があの男を本当に許したと思っているのか?」

 落ち着きなくうろうろと室内を歩いていたナディアの足が止まる。

「あの男はおまえを侮辱した。許してやるつもりはない」

「だからって……」

「おまえが誰のものなのか、エスタレイクでどういう扱いをされる人物なのかわからせてやる」

「待って」