貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「あなたがジャンの提案を聞くなんて! そういう面倒事を引き受ける人じゃないと思っていたのに……! 絶対になにかしでかすつもりよ。賭けてもいいわ」

「いい加減落ち着いたらどうだ。もう言ったものは撤回できない。ひと月後、エスタレイクにフアールの人間たちを招待する」

「だからどうして!」

 ナディアの中でゲルハルトは理知的な男である。

 意外に冗談を言うし、気を許しさえすればよく笑う人でもあるが、短絡的な行動をする人物だとは思っていない。

「いつかすべきだと思ってはいたんだ」

 椅子に腰かけたまま、ゲルハルトは長い足を組んで苦笑する。