貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「レスティライトの装飾品を一式用意できるなんて、蛮族にしては意外と文明が進んでいるんだな」

 その声は運悪く一瞬だけ静まり返った大広間に響いた。

 いくらなんでもこれは失礼を通り越して無礼である。

 王族に名を連ねる者が、たとえ蔑んでいる獣人が相手と言えど公の場で口にしていいことではない。

 凍りついた空気に気づいていないのは愚かなふたりだけだ。

 周囲の人々が固唾を呑んで見守っている。

 この場でゲルハルトが国交断絶を言い渡してもおかしくはないほどの所業だが、そうなる前にナディアが口を開いていた。