貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「……そんな希少なものをおいそれと受け取るわけにはいかないな。代わりになにを要求されるかわかったものじゃない」

 隣で聞いていたナディアは、強がって拒んだジャンの後ろでコリンヌがなにか言いたげに身じろぎしたのを見た。

 もらえるならもらっておけばいいのに、とでも言いたそうな顔だったが、ジャンはそれに気づかない。

(ちょうだいって言われたら本当に用意する気だったのかしら?)

 ジャンの返答はゲルハルトにとって予想通りだろう。

 背後で機嫌よさそうにゆらりと尾が揺れる。

 余裕のある態度が気に入らなかったのか、ジャンは舌打ちしかねない勢いでゲルハルトを睨んだ。