貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 広間にいる人々は皆、服に刺繍を入れたり、花飾りを身につけたりしている。

(やっぱりわざと教えなかったんだわ。大勢の前で笑いものにしようとして)

 ふとナディアは湿度の高いコリンヌの眼差しに気づいた。

 媚びるようにゲルハルトを見つめながらも、瞳に暗い光を宿している。

「エスタレイクでどんな生活をしてるのかと思いましたが、素敵な日々を送っているようですね」

 コリンヌとうまく視線が合わない。

 意図的にナディアを見ないようにしているようだ。

 苦々しい口調から、邪魔者として追いやったナディアの恵まれた生活を妬み、苛立っているのが感じ取れる。