貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「それは、その」

 ナディアが答えようとした時だった。

「久し振りだな、ナディア」

 コリンヌを連れたジャンがふたりの前に現れる。

 あまり愉快そうに見えないのは、パーティーの話題をさらわれたからだろう。

 それも見目麗しい獣人の王と、希少な宝石を与えられた女性という羨望の入り混じった話題だ。

 ジャンはナディアとゲルハルトに不躾な視線を送って鼻を鳴らす。

「パーティーのマナーを伝え忘れたかと思っていたんだが、気のせいだったらしいな」

 ナディアが前世の記憶を頼りに青い花のモチーフを着用するよう言ったのは正しかった。