貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 つぶやいたナディアの足がもつれる。

 転ぶ前にゲルハルトが支え、うまく次のステップに誘導した。

「集中したほうがいいんじゃないか。どうしても失敗したいのなら止めないが」

「あなたって時々すごく嫌味っぽいと思うわ」

 くすっと笑ったナディアが調子を取り戻す。

 前世と違う道を歩み始めてから、死が遠ざかっていくのを感じていた。

 そうはいっても自身の最期を知っているだけに、いつそうなるかという不安は拭いきれなかった。

 だが、ナディアはもう自分の中にその不安がないのを知っている。

 昨夜、ゲルハルトと過ごした時間のおかげだ。

「私にとってもあなたは特別よ」