貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ゲルハルトから贈られたピアスは、昨日よりも一層輝いて見えた。

(最初は生き延びるためにもがいてたのに、ずいぶん気が緩んだものだわ)

 メイドたちには頼まず、自分の手でピアスを耳につける。

 しずく型の石が揺れ、ちりりと星のまたたきを思わせる澄んだ音を立てた。

(フアールに帰りたくないかと言われたら、やっぱり帰りたい。だってあそこには家族がいるもの。でもまたすぐにここへ戻ってきたい。もうエスタレイクは私のもうひとつの居場所になった)

 ぱちんと音が聞こえ、ナディアはメイドたちを振り返る。

 ささやかな戦いが終わったらしく、ひとりが手を叩いた音だった。