貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 彼女たちは従順で礼儀作法も完璧だったが、正しいからといって居心地がよかったかというとそういうわけではない。

 それに比べ、今はとても居心地がいい。

 自由な気質は獣人特有なのか、彼女たちは基本的に緩かった。空腹になれば予定より早く昼食をとりに行くし、使用人の立場にもかかわらず国王の客人であるナディアに気安く声をかける。仕事中もよくメイド同士でお喋りを楽しみ、エスタレイクについて勉強するナディアの教師になりたがり、率先して庶民の知識を話した。

 まだ金粉をどうするかで揉めているメイドたちを見ながら、ナディアはテーブルに置いた箱を引き寄せる。