貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 その様子を覗いたナディアがエセルにこそっと話しかける。

「朝から用意しなくちゃならないような料理もあるのね。夜になるまでに冷めないのかしら?」

「その辺りは考えて作っているようですよ。なんでも半日以上煮込まなければならない果物があるとか。それでタルトを作るのだそうです」

 ナディアはそれを聞いて、自分が食べる時間はあるのだろうかと不安になった。

 なんといってもこの催しの主役はほかでもない自分なのである。

「タルトについて考えていたら、緊張せずにすむかもしれないわね」

 冗談めかして言いながら、ナディアは夜に向けての準備に勤しんだ。