曖昧に答えるも、ナディアはゲルハルトから離れようとした。
「でも、待って。恥ずかしくて死んじゃいそうなの」
「簡単に死のうとするな」
「あなたのせいよ……」
耐えられずにナディアは自分の顔を手で覆った。
「明日、どんな顔をしてあなたと踊ればいいの?」
「泣いてさえいなければなんでもいい」
ゲルハルトの手がナディアの背に回る。
ぐっと引き寄せられ、近かった距離がさらに近づいた。
「逃げるなよ。そのピアスをつけて、ちゃんと俺の前に現れてくれ」
「……うん」
この男からはもう離れられないのだと、ナディアは心のどこかで悟った。

