貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~


 曖昧に答えるも、ナディアはゲルハルトから離れようとした。

「でも、待って。恥ずかしくて死んじゃいそうなの」

「簡単に死のうとするな」

「あなたのせいよ……」

 耐えられずにナディアは自分の顔を手で覆った。

「明日、どんな顔をしてあなたと踊ればいいの?」

「泣いてさえいなければなんでもいい」

 ゲルハルトの手がナディアの背に回る。

 ぐっと引き寄せられ、近かった距離がさらに近づいた。

「逃げるなよ。そのピアスをつけて、ちゃんと俺の前に現れてくれ」

「……うん」

 この男からはもう離れられないのだと、ナディアは心のどこかで悟った。