貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 直にやり取りしているのもあり、ナディアがどんな人物なのかを実際に目で見ているのが大きい。

 しかし、パーティーに参加するのは城の者ばかりではない。

 獣人の中には当然人間に否定的な者もいるだろうし、ナディアの待遇をよく思わないものもいるだろう。

 ふるりとナディアは身体を震わせた。

 上着を羽織っていてもエスタレイクの風は冷たい。

(……怖いわ)

 ナディアは前世で他者からの悪意を一身に受けた。

 あれを再びこの地で味わわないとどうして断言できるだろうか。

 不安になるも、頭の中にゲルハルトの言葉がよぎる。

『ここにいる限り、もう二度とつらいとは言わせない』