貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 好奇や侮蔑といった人間の視線を嫌っていたし、極力かかわりたくないと強く思っていたからだ。

 その気持ちは今も変わっていない。

 ナディアに語ったようにゲルハルトは両親への復讐を果たした今でも、人間という種族に嫌悪の気持ちがある。

 だが、目の前ではにかみながら獣人のやり方で礼をする彼女だけは違う。

 ゲルハルトは自然とナディアに向かって手を差し出していた。

 知識として叩き込んだだけの所作が役立つ日など、永遠に来ないだろうと思っていたのに不思議なこともあるものである。

「間違えても怒らないでね」

「間違え方にもよる」

 ゲルハルトの手がナディアの腰に添えられる。