貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ナディアはダンスの型や動きは覚えても、練習が足りないことを自覚している。こんな状態で相手をさせるのは申し訳ないと思いながらも、この機会を喜んでいた。

 初めて覚えたものを披露するならゲルハルトがいい。

 なぜ自分がそう感じるのか、ナディアにはまだわからない。

 一方のゲルハルトは、そもそも異性を相手にダンスを踊った経験がなかった。

 彼が王になってから人間のように城でパーティーを行った経験はない。もとより結束力の強い獣人にはそうした社交界が必要なかったためだ。

 フアールでナディアと出会った時も、人前ではフードをかぶり耳と顔を隠して存在感を消していた。