貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 逃げ道を塞がれたと気づいたのか、またナディアに視線を戻した。

「ほかに希望する相手がいないなら、最初ぐらいはつき合ってもいい」

 ナディアの心臓が小さな音を立てる。

(ゲルハルト様と踊る?)

 想像してみようとするが、うまくいかない。

 それなのに急に気恥ずかしさを覚え、ナディアの頬に朱が差した。

「あなたと踊れたらうれしいわ」

 本心から告げると、ゲルハルトが軽く目を見開く。

 ナディアはもう少し彼との関係について考えたかった。

 くすぐったい気持ちになって、なんとなく顔を見られないというようなおかしな状態のままではいたくなかったのだ。