貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 動かし続けた足が悲鳴を上げている。今にも攣りそうだが、なんとか耐えた。

「いいですねえ。当日は陛下と踊るのでしょう?」

 黙っていたエセルがゲルハルトに向かって言う。

「別に俺でなくてもいいだろう。おまえだってかまわない」

 遠回しに嫌だと伝えるゲルハルトに対し、思わぬ方向から指摘が入る。

「ナディア様のお披露目でしたら、最初のダンスは陛下がお相手をなさるべきです」

 きっぱりと言い切った豹の獣人に、エセルが同意を示してうなずいた。

「軽んじられないよう、陛下自ら重要な客人だと知らしめる必要がありますね」

 エセルも援護したおかげで、ゲルハルトの旗色が悪くなる。