貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「また、尾に触れてはいけません。家族や恋人といったかなり親しい間柄でなければ、大変な失礼にあたります」

「そうなんですね……」

 それもまた、身に覚えがあった。

 やってしまったという思いと、その割にはすぐ触らせてくれたという戸惑いとで混乱する。

 さらにナディアはその時のゲルハルトの言葉を覚えていた。

『おまえならいい』

 レッスンを受けている途中だというのに、鼓動が速度を増していく。

 家族や恋人にしか許されない行為なら、なぜゲルハルトはナディアを拒まなかったのか。

「ナディア様、集中なさってください」

「す、すみません」